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プラハの春―存在の耐えられない軽さ [映画]

私が、よくブログにお邪魔させていただいている趣味範囲の広いりんこうさんが、

現在彼のブログ「りんこう世界」にて

プラハ旅行記を執筆中です。そして毎回それを生きがいにしている昨今のわたしです。

プラハは、縁もゆかりも知り合いすらひとりもいないし、

もちろん旅行ですら行ったことないですが、なぜか心引かれる街です。

「存在の耐えられない軽さ」はそのポスターが原因で当時としては非常にエロティックなシーン

(今でもDVDのジャケットだけで内容を知らないと、

やはり氷の微笑のような作品と思うかもしれません)の鏡の部分などばかりが結構クローズアップ

されている作品です。

1968年当時のプラハの春を知らないわたしにとっては、

他の国の戦車が街を占拠し、その国の体制を破壊するというシーン自体が、衝撃的。

主役の脳外科トマシュ、その妻、その恋人を軸に、

人と人との関係を「軽く」渡り歩くトマシュが、

革命が押しつぶされる時という「重さ」には、

実に所詮人ひとりの存在など口ほどもなく軽いのだと体現しているという皮肉。

それでいて、人はどんな風に生きようとも、人と人の間にある愛と呼ぶべきかもしれない

形のないものに対していちばん「重さ」を感じるのだと見終わった後しみじみ感じました。

しかも、この映画は私の生涯ベスト10にランクインしていますので(その時々で順位は変わる)、

なおさら、プラハという街に親近感を覚えるのでしょう。

関係ない話ではありますが、私たちは日々過ごしているだけで、

知らず知らず歴史の証人となっています。

その人に他意があるなしにかかわらず、先人の残したものは、その紛れもない証拠と

なっているのです。

この映画に描かれる「プラハの春とソ連の軍事介入」もそれを見ていた人がたくさんいます。

わたしも、人生80年と考えるとまだ1/3強の30年目ですが、

既にいろんなものを見ているのです。

ベルリンの壁がこわれるのも、その後ドイツが統一したのも、

町を黒くそめる土石流が流れた島も、

一瞬で町がこわれた大きな地震も、津波も、

大きなビルに向けて飛行機が飛んでいったことも、

南極の氷が解けているのも見ているのです。

いにしえの人々であったら、自分の見た歴史を壁画に、文章に残し、

現代のわたしたちは文章はもちろん、写真に、映像に残しています。

歴史には、実は答えが決まっていて、

本当はそうなる運命の台本があるのでしょうか。

それとも、私たち自身の力で何かを変えることができるのでしょうか。

時折ふと心をよぎることもあります。







存在の耐えられない軽さ

存在の耐えられない軽さ

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2006/01/27
  • メディア: DVD


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そして、ひと粒のひかり [映画]

明日はというより、カリフォルニアで言ったら、今夜は

ということになるのでしょうか、アカデミー賞ですね。

映画ファンの端くれである、わたしも、日ごろ3000円まで払って、

意味があるのかWOWOWクンとなじってみたりしてますが、

明日朝と、火曜の字幕版のある日ばかりは、

1年分のありがとうを私に言われてもらえるわけです。

わたしなりの、賞レースの予想や私感があるのですが、

それは映画評論家の方にお任せしたいと思います。

今年1年の間(2006年4月~2007年2月現在)、映画館で見たことなくて、

WOWOWで見てよかったといちばん思った映画が、

今回のタイトルにもある「そして、ひと粒のひかり」という映画です。

ひょんなことから、麻薬の運び屋をやることになった17歳の少女を描いた

この作品は2005年の公開当時気になっていたのに見れなかったものです。

内容を語りたくてしょうがないのですが、それは、

見ようと思っていらっしゃる方の気をそぐ形になるのでひかえます。

この映画の監督さんもおっしゃっていたようですが、

17歳という世界は時折映画や文学や音楽の舞台に特別な時間として登場します。

子どもでもない、大人でもない特別な時間だからでしょうか。

私もこの映画を見た後自分はいかに17歳を過ごしていたかと少し考えたりもしました。

映画「エレファント」を観た時も考えましたが(ガス・ヴァン・サント監督の作品で世界を震撼させた、

高校生が自分の高校で起した銃撃事件がモデル)。

今回は少女が主役ということで、なおさら思い入れを持ってしまいました。

なんにしろ、17歳の時生きていた世界よりも、今のこの現実の方が、

格段に生きやすいことは確かです。

映画の中でニューヨークの街が出てくるのですが、

その少女のフィルターを通してみたニューヨークはあまりにも

美しすぎるものでした。

昨今、あのワールドトレードセンターからこっち、

ただただ底抜けに明るい自由の国アメリカというイメージは

はかなく消え去ったような気がしていたのですが。

でも、物語の前半の彼女の生きる現実と比べて、

ファーストフード店、スターバックス、高層ビルと古い建物が

入り乱れるニューヨークはおとぎ話に出てくる天国より

きらきら輝いて見えました。

それにしても、この邦画タイトルは秀逸だと思います。


そして、ひと粒のひかり

そして、ひと粒のひかり

  • 出版社/メーカー: 日活
  • 発売日: 2006/04/07
  • メディア: DVD


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マイ フェイバリット シングズ [映画]

ミュージカル映画の金字塔、「サウンドオブミュージック」でジュリー・アンドリュースが

歌う上記の「マイ・・・」はわたしが、仕事でいやなことがあった時、

ダンナとけんかした時、夕食を食べて眠いのに皿を洗わなければならない時、

ハナウタとしてハミングすることの多い歌です。

死ぬほど辛くはないけれど、今のこの気持ちをなるべく忘れるようというより、

これは私が選んだものだ!と再度見直すためにハミングしているのかもしれません。

これは私の好きなもの!というところでしょうか。

かなり無理やりですけど。

それでも、落ち込み足りない時は、ひとり酒上手でない私は、

お茶を飲み落ち着くよう文庫本を持って、おひとりさまでも

ぜんぜん長居OKよスタイルの喫茶店(カフェと書きたいところだけど、

カフェって意外と文庫本を持って長居はむずかしい)で、

行き所のない営業疲れの煙草プカプカサラリーマンと同じくうだうだ過ごします。

それでも、気が晴れないときは映画館に行くようにしています。

わたしは、今は映画を観ることの方を大切に思っていますが、

昔は映画館に行くことがとっても好きでした。

映画のいちばんおもしろいところは幕が上がるその瞬間・・・と今でも思っておりますが、

映画館というのは、それは個性のある場所で、

日常の中にハレの日というのを運び込んでくれるところです。

映画館に行くことが好きが高じて映画好きになった私みたいな人は

そう珍しいわけではないと思います。

娯楽の少なかった戦前や、テレビが浸透する前は映画は最大の娯楽で

あったようですから、映画館に行くということは楽しかったに違いありません。

ちなみに、今大阪梅田でお気に入りの映画館はガーデンシネマと、

シアトル梅田です。

ガーデンシネマは行くのは大変ですが、映画始まり前のロビーの眺めのよさ、

トイレの美しさにはちょっとヨソイキ気分になります。

ただ、今となっては、行くことが難しいのですが、

いちばん好きな映画館は、わたしが大学時代を過ごした大分県にあります。

シネマ5というミニシアター系の映画館なのですが、

とにかくステキな映画館です。

年間1万円でヴィンテージ会員(チネ・ヴィータと呼称していたと思います)

というのに、大学在籍中2年間会員となり、年間20本

近い映画をそこで観ました。

まず、1万円払えばその映画館の映画をいつでも1000円で観れる、

観た映画の半券を会員証(半券をはれる冊子のようになっている)を貼ってくれる、

映画館のロビーはちょっとパリのカフェのような感じで、

待合ロビーのイスも、調度品もちょっと凝っていて、

スクリーンはひとつ、席も100なかったと思います。

トイレも同じくカフェのトイレみたいで、

大学時代の幸せな映画人生はその映画館で支えられていたと思います。

当時付き合っていた彼氏や友人とも通いましたが、

ひとりでちょっと早めについて、チラシを観ながらゆっくり過ごし、

映画を観終わった後も次は何を見るか考えながら、

またゆっくり過ごししていました。

いい映画もたくさん観ました。「LAコンフィデンシャル」「運動靴と赤い金魚」

「フェイス」「鳩の翼」・・・その頃はイギリス映画かなり元気でしたね。

その半券を貼った冊子は今でも大事に持っています。

また、大分に行く機会があったら、ぜひ行きたいですね。

大阪にもそういう映画館があったらいいと思います。

でも、今は郊外型の大型ショッピングセンターの進出で街中の映画館は、

経営難ということですから(京都・四条の趣のある映画館もなくなりました)、

こだわりの映画館というのはどんどんなくなっていく運命なのかもしれません

だけど、映画館という存在自体がなくなってしまったら、

わたしの癒しの場所がなくなってしまうので、

ぜひぜひずっと元気でいて欲しいと思います。

とりあえず、次は「どろろ」を観にいく予定にしております。

あ、カジノロワイヤルをその前に火曜日に観にいくかもしれません・・・。







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理由 [映画]

名古屋の方には申し訳ないけど、「ドラゴンズの方、空気読んでください。ここ、甲子園ですよ!」

という気分の土曜日ですが・・・(明日は勝ちますように)、秋ももう本番といった風情の

今日この頃ですね。日本の秋は、本当に美しい。雲ひとつない青空を見ているとしみじみと、

秋といえば、芸術の秋をはじめに、スポーツの秋、食欲の秋だとか、暑くもなくまだそんなに寒くない

この季節は、何を始めるにももってこいの季節ですが、読書の秋も忘れてはなりません。

といっても、わたしはそんな理由は後付けで、うまいこと時間のやりくりをしてけっこうきちんと

読書をしています(といっても、娯楽本ばかりですが)。

この前WOWWOWで大林宣彦監督の「理由」を見ました。映画としては、原作に忠実過ぎという

ことで賛否両論ですが、わたしは原作も好きだし、2時間半をわりと飽きずに

映画として楽しめました。

特に映画の中で描かれる「東京の下町」がよかったですね。下町という言葉は、その意味を実は

あんまり知らんのでは?と思わないほどに私たちの暮らしの中に根付いています。が、

九州出身のわたしには、あまり下町は自分の街にはありませんでしたので、きっと私の感じる下町

の姿は自分で勝手にこしらえたつぎはぎのようなものだと思います。しかし、映画の中には、

へえ下町ってこんなものかあと感じるところが随所にあり、ドキュメンタリー調とあいまって

変なところで妙に感心していました。

「理由」というタイトルもなるほどと思います。秋の夜長に小説、映画お好みでよいと思います。

それにしても、最近とても食欲が増し、栗に梨に松茸にとおいしいものがあふれていまして、

ついつい食べ過ぎていますが、秋だから・・・を理由にするのは、ただの言い訳でしょうね、

やっぱり。






理由

理由

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2004/06/29
  • メディア: 文庫


理由 特別版

理由 特別版

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • 発売日: 2005/04/28
  • メディア: DVD


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少年時代 [映画]

一般的な映画好きの人に言ったら、映画のシーンひとつを取り上げあーだこーだ言うのは、外道と

言われてしまいそうですが、映画のテーマや内容や上映時間がとっても気に食わないのに、

このシーンがあるからこの映画を好きになったという映画は、私にはいっぱいあります。

アル・パチーノ主演の「セント・オブ・ウーマン」レストランのタンゴ。

ロバート・カーライル主演の「フェイス」の最後のパーキングの待ち合わせのシーン。

ジュリア・ロバーツ主演「ベストフレンズウェディング」の小さな願いを歌うシーン。他たくさん。

そして、篠田正浩 監督の「少年時代」の汽車を追う少年のラストシーン。

見ていない方も多数いらっしゃると思いますので、内容は多くを語りたくありませんが、

主人公進二の親友ともいえる武が心がふるえるほどいい奴で、少年だから荒削りなところは

たくさんあるけど、そのラストの爽快感はその子の人となりをすごく表しているように感じました。

人は大人になっていく過程として必ず少年時代(わたしで言うと少女時代となるのですが)を経験し

ます。

この映画観て男の子として生まれて少年時代をやってみたいなあと思えて仕方なくなったもので

す。ええな、ええな男同士ってとつくづく思いました。

でも、わたしの少女時代が楽しいばかりでよいことづくめではなかったように、男の子で

少年だからといってよいことばかりではないでしょう。まず、思春期という時期は感受性の

動きが自分の思いよりずっと鋭く、毎日が心がひりひりし、そして自尊心も富士のお山よりも

高くそびえていたから、たった一つのにきびや失恋でさえ生き死ににかかわることのように

感じてしまう・・・。青春時代という誰が何の因果で名づけたか知りませんが、詩情あふれるこの

言葉に惑わされて、随分楽しく愉快で未来に対する何の不安もなく、友情をはぐぐみほれたはれた

のいちばん純粋で美しいところをかい間見ることができるのではないのかと勘違いしてしまい、

たいしたこともないことで毎日心悩まし、負わなくてもよい引け目や疎外感を感じていました。

私の少女時代はその両親の少年少女時代まではなんとなくまだまだ日本も豊かな国とまでは

言えなかったようで、私たち世代ののようにただひたすら自分の少年時代のことばかりをかんがえ

ればいいという状況ではなかったようで、随分うらやましがられましたが、それを過ごしている本人

にとっては、外に出れば10人の敵がいるみたいな戦々恐々とした気持ちでいることが多かったので

ますます反抗期に拍車をかけただけだったように覚えています。

でも、少年時代は楽しいことばかりではないよと本物のリアル少年に伝えてしまうのはやぶ

さかではありません。今の子のほうが、私の子ども時代より随分と生き難いじだいのようですから

真実を伝える方がよいのでしょうか。まだ、子を持ったことのないわたしには今回かなりの時間をか

けて考えてみましたが、答えが出ることはありませんでした。

他の好きなシーンについても話したくてたまりませんが、きりがないのでやめときます。

長い道

長い道

  • 作者: 柏原 兵三
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1989/10
  • メディア: 文庫


少年時代

少年時代

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2005/04/28
  • メディア: DVD


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40歳の童貞男 [映画]

おぼこ娘じゃあるまいし、と他人には笑われるかもしれないけど、やはりブログというあくまで個人的

な私信のひとつでも、「童貞」という言葉をタイトルにするのに、随分心悩ましてしまいました。しか

も、これは私がこの秋楽しみにしている映画のひとつなのです。ただ、この映画ほとんどの映画館で

上映されない・・・。ユナイテッドシネマとしまえんと同じく岸和田・・・。いくら私が大阪に住んでいる

といっても、私の住まいは岸和田とはま逆で、大阪北摂地方。電車で行くにはどのように・・・と考え

るだけでもうんざりしているのです。その上、30女がひとりで、映画館のチケット売り場で「40歳の童

貞男のチケット1枚ください」と言えるけどさあ、タイトルもう少し考えてくれたら、梅田の映画館でも

上映できたのではないの??とどうしてもひとりごちてしまいます。

日本に公開が決まる前から原題「 THE 40 YEAR-OLD VIRGIN」を楽しみにしていました。

セックスを真正面から笑いとシュールを混ぜてそれでいて愛というオブラードをにじませている

作品のような気がして、おもしろそうだとにんまりしていたのに、2映画館!!とは!!

確かにそのまま翻訳タイトルですけど、向こうのバージンという響きと日本人の感じる童貞の

コトバの感覚は随分開きがある気がします。もし私がセブンティーンで、母親に「今日は何の映画を

観るの?」と聞かれ、「友達のユウコちゃんと40歳の童貞男観てくるね!」とは言えないと思いま

す。今は言えますけどね。

ただ、経験のない40歳男性のことを面白おかしく描いたものというだけでなく、今の時代はあまりに

もフリーセックスが横行していて、それを経験することが大事なのではなく、お互いに大切に思うこと

だよというテーマが盛り込まれているらしく、本当なら心美しいと思われる青少年に見てほしかった

なあとわたしは思ってしまいましたが。このタイトルでは映画館でもやらないだけでなく、

金曜ロードショーでもやってはくれないだろうし、ある一部の映画好きがWOWWOWで観るのが

関の山という映画として、うずもれないように祈るばかりです。

まだ、観てないのでここまで思い入れといて、映画を観たら意外に裏切られることもあるでしょうが。

映画を観る機会にわたしが早いうちに恵まれたら、その答えが早くわかるでしょうが、いささか

難しそうなので、観た方は感想をネタバレない程度に聞かせていただければと思います。

(DVDが10月には発売されるそうですが、映画館で観てもないのに買えないですよ・・・)


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カミカゼ [映画]

実は先々週のことで申し訳ないですが、賛否両論、喧々諤々の話題の映画、スタジオジブリの

「ゲド戦記」を見てまいりました。わたしと連れ合いはちょうど自我の目覚める8~9歳のころに

ナウシカを見てすり込みされた世代であり、ジブリ(特に宮崎駿氏の作品だが、それ以外にも

好きなのもある)はある意味ひとつの信仰のように大切に思っている気がします。

何しろ私は、アニメなのに映画から発されるメッセージにいつもノックダウンされており、それは9歳

のころから変わらないといって間違いありません。

ちなみに、この「ゲド戦記」。つれあいも不満げでしたし、賛否両論あるのは仕方がないといっては

申し訳ないですが、物足りないところがあるのは否めません。

ただ、「命を大切にしない奴は大嫌いだ!」とか、死と生は同じもので、

不死は生からも逃げることだとか、映画の中に潜むメッセージはジブリ映画の

いちばん粋で、いいところはたくさん持っていると思います。

原作をもとりあえず読もうと今考えているところです。

(現在、今さら爆笑問題の「日本史原論」などのシリーズと、昨今亡くなられた吉村昭氏の作品に

はまっており、さしあたりその後になりそうです)

報道ステーションの中でレバノンのヒズボラが暮らすを取材している映像を見ました。

ヒズボラの村の子どもは

「ヒズボラはレバノンを守っている。僕も立派な兵士になりたい」と言っているのを見ました。

ヒズボラの村の年配の男性は「カミカゼ村だ!」と自分の村を指して言う。

「カミカゼの意味、日本人ならわかるでしょう。民族のために公私をなくして、身をささげて戦うと言う

意味だよ」と。

民族を強く思う気持ち、自分のむらが大切な人たちが爆撃で失われる気持ちは、きっと経験のな

い、しかも民族意識の低い世代のわたしには彼らのハナクソほどもわからないでしょうけど。

「カミカゼ」はその時代を私は知りませんが、もう二度とごめんです。

「ゲド戦記」は戦記とあるけど、映画を見る限り、

自分や家族の命ですらなげやりにして、自分の中にある光すら追い出してしまう少年の自分と戦う

映画であるような気がします。

カミカゼ村の人たちにジブリ映画観て欲しいなあと思います。

もしくは観れるような時期が早く来るといいと思います。


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長い長い夏休み [映画]

日本中至るところに傷跡を残して梅雨が過ぎさりつつ、

見上げれば子どもの頃から変わらない夏休みの空。

白くて大きな雲が青い空にぐんぐん伸びています。

早起きは苦手だけどして、どこかでやっていると思うラジオ体操に参加して、

小学生の頃の夏休みをやり直したりしたくなります。

先週からBSでチャップリン特集をやっていて、時間帯が8時から10時くらいだから、

夏休み中の子どもたちも見れるかしらと思って少しうれしくなったりしました。

私の人生の座右の銘は、「愛こそすべて」と言ったら、大げさですけどそんな感じで、

チャップリンの映画にはそれがあると思います。

彼自身の映画に対する愛でもあるし、つまるところ人は生きているだけでも美しいみたいな

テーマがあっていいなあと思います。あくまで私の主観ですけど。

わたしの人生ベストワンの映画「街の灯」もありました。

何度も見たけど、おばかな人生をひたすら一生懸命生きていかなきゃいけない、

わたしたち人間てなんておろかで、でも美しいなあと思ったりします。

カラーテレビが生まれた頃からある昭和50年代の子どもであった私でも、

トーキーじゃなくても大丈夫だから、プラズマテレビに見慣れた今の子どもでも、

チャップリンの動きには眼を奪われると思います。

たくさんの子どもに観てもらいたいなあと自分で見ながらふと思ったりしました。

そんなことより、きっとわたしの海水浴の思い出のように、

いくつになっても色褪せない長い長い夏休みをみなさん過ごしているのでしょう。

街の灯 コレクターズ・エディション

街の灯 コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2004/01/23
  • メディア: DVD


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おとったん、ありがとありました。 [映画]

8月15日は、おぼんであり、終戦記念日でありますが、

今年にいたってはある意味X(エックス)ディのような感じですね。

参拝するの??どうするの??

わたしには「心の問題」と片付けられない気がして、なぜだか心が痛みます。

昭和天皇の「メモ」が波紋を呼んでいます。

わたしは、のんきにも、昭和天皇の映像を見て、なんだか懐かしい気がしていました。

わたしが、昭和を生きたのは、干支が一回りしたほんの一瞬。

平和ボケしている、若造のわたしが口出すことではないのかしら。

私が知っている戦争は映像の中でしかわからないんです。

テポドンがこっちに向かって飛んできたと聞いても、レバノンでのいつ終わるとも知れない

戦火の映像も、私の好きな映画監督黒木和雄の「父が暮らせば」もみんな同じ映像の中。

自分の身に置き換えたら、わたしと同じように今日明日のことで精一杯の人生。

小さな家族のことを考えるので精一杯の人たちだって、60年以上の日本人と同じように、

レバノンにだって、北朝鮮にだって、いるんですよね。

「父と暮らせば」で宮沢りえが演じる女性は、終戦から3年後の広島に生きています。

戦争の傷跡は痛々しいが、とりあえず明日死ぬともしれなかった3年前と比べたら、

考えられないくらいの普通の日常へ戻っています。

でも、彼女は生きるのがつらい思いをして過ごしていました。死ぬのが当たり前と思い込むほど。

だから、原田芳雄さん演じる幽霊の父と暮らすことになるのですから。

いのちはもちろん、心を破壊をしてしまうものを、やはり私はやすやすと許せないと、

恥ずかしげもなく「戦争が嫌い」と私は言えるようにわたしはなりたいです。

何にも知らない、私たちだからこそ、それを言うのが大切ではないかと思います。

父と暮せば 通常版

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  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • 発売日: 2005/06/24
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はつこひ [映画]

あなたの初恋はいつですか?

そしてどんな思い出が残っていますか??

わたしは、最近大好きな女優さんがいます。わたしは女性ですが、女性ボーカルの歌の方が、

好きだし、好きな役者さんというのは女優さんが多いことは確かですが、最近彼女に、

どっぷりはまっています。それまでは、池脇千鶴さんですから、わたしが男性だとしたら、

好きな女のタイプはなかなか変わらないといった風情ですかね。

彼女が好きなおかげで朝の連続テレビ小説とやらも一生懸命見ています。

子どもの頃に、はね駒を見て以来だから、かれこれ20年はゆうに超えています。

彼女は、かわいいし、何よりうまい。表情ひとつで、人の心をわしづかみする力を持っているように

思います。

映画「NANA」は最近レンタルビデオ屋サンに行かなくなったので、いずれWOWWOWで放映され

るまでお預けですけどね。

それで、今度「初恋」を見に行こうと思案中。

「好きだ」も見に行く予定にしていたのに、そんな時に忙しく急な用事が入ってしまうという・・・。

だから、今回は今度のレディースデイにしっかり見に行こうと思っているのです。

三億円事件は、未解決。

だから、今までもいろんなドラマや映画として作られており、いろんな仮説から、

犯人を導き出そうとする本やドキュメンタリーも数多く出回っています。

東京府中市。日本信託銀行から東京芝浦電気へ工場従業員のボーナス約3億円が、

白バイの警官に化けた男(一般論として犯人は男性であろうということになっている)が車を

乗り去り、盗んだ車を乗り継いで3億円とともに永遠に姿を消してしまいます。

今より約40年前。今ですら、宝くじで当たったらそれだけで贅沢しなかったら、

もしかして一生暮らせるのではないかというくらいの金額ですから、あの当時で考えると

相当なものでしょう。

私自身はまだ影形もない時代。私の母ですらまだまだ小学校を卒業したばかりではないでしょう

か。実際車で3億円を運んでいた銀行員のほか、府中刑務所職員、自衛隊員の目撃者もおり、

白バイを含む100点以上の遺留品があり、初め警察当局は犯人逮捕もすぐだと予想していたらしい

のです。

事件の真実は「少女の初恋」。

恋にはそれほどの力があるものでしょうか。

ちなみに私の初恋は9歳の時。

同じクラスの電気屋さんの子。

眼がくりくりしていて、かわいい男の子でした。

何も事件はなく、学校の音楽会で二人して木琴のパートをすることになり、

仲良くおしゃべりできるようになったことが

私の小さな宇宙の奇跡のひとつだったような思い出があります。


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