二十日鼠と人間 [映画]
映画好きで読書好きの人には、人生迷う時期というのが、非常に多い気がします。
というのは、大げさですが、今ダヴィンチコードを本が先か、映画が先か・・・でいつも本屋でうんうん
悩んでいます。大抵、今までの経験上、本が先になるとがっかりすることが多いので、今のところ読
みたいけど、とりあえずここは踏みとどまっておこうというのが、私の心の8割を占めているところで
す。ただし、原作自体を映画になるなんて思いもせず昔に読んだもの(村上龍の69など)や、定番
の本(例/若草物語や赤毛のアンなど)は、自分がどれだけ、原作が好きで何度も読んでいようと
も、不思議と映画は別物として楽しめます。あくまでも、原作の話題性が映画とほぼ同時進行とか、
話題になってすぐの時(例/模倣犯)には、大概がっかりしますので。
逆に、映画を観て、原作を読んで、映画のほうがわりと好きという映画も少なからずあります。
もちろん、原作もいいんですけど。
その、私にとっての代表作が、「二十日鼠と人間」
タイトルが地味なので、1992年の映画ですけど、話題作ではなかったように思います。
が、いいんですよ。だまされたと思って、たくさんの人に見て欲しいです。
これは、原作自体は1937年のものです。
「怒りの葡萄」「エデンの東」などの原作で知られる、ジョン・スタインベック(アメリカ)の原作です。
上記の2つの作品も、映画史に残る名作と言われているものですね。
この、二十日鼠と人間ももともと確か1939年ごろ一度映画化されていて、
その後何度も舞台で演じられているらしいです。
時代背景はもちろん1930年代、不況の折の西部の労働者たち。
主役であり、監督でもあるゲイリー・シニーズ(日本では、フォレストガンプのダン中尉として知られて
いるかも)が、頭のいいジョージで映画「マルコビッチの穴」で日本では有名のジョン・マルコビッチ
が力は強いが、力の加減がわからず、ウサギなどをかわいがっているうちに・・・というレニーを演
じ、そのの二人の流れの農場労働者が中心に描かれています。二人には夢が・・・
という映画なのですが、いいんですよ。
二人ともいい俳優さんだし、ハリウッドの映画はドンパチと派手だったり、お金がすごおく
かかっているだけじゃなく、こんなにいい作品もあるんだーと心から思えます。
前に、NYブルックリン、下町の煙草屋の話の映画「スモーク」を紹介したことがあるんですが、
どうも私はアメリカ映画は地味(味わい深いとも言う)なものが大好きですね。
もちろん、大スペクタクル、ハラハラドキドキ、エンターテイメントも好きですよ。
でも、本当に本当に、いい。
映画は、単なる娯楽だけのものではなく、人生の喜びと悲しみを表現できるものだと、
だから映画館で1800円も払ってみちゃうんだなと思います。
ただし、これはもうDVDかビデオでしか見れません。
観ている人がいたら、ぜひぜひ感想を聞かせてもらいたい映画です。
ただし、私って、来週プロデューサーズを映画館に観にいくんですけど、それ言っちゃうと
説得力なくなりますかねえ・・・
「映画」と「原作」は難しいですよね。先に経験したほうが印象強かったりしますし。どうしても「原作」が先になることが多いので「映画」には少々がっかりすることが・・・ 「原作」の情報量を余すところなく映像化するってムズカシイ。
でもどっちもステキな作品に出会えるって幸せです。
by muscat (2006-04-07 22:45)
ダヴィンチコードは、私も「映画を先に」と思ってます。映画を先に観ると「あれっ?!こんな?!」と思うパターンが多いので。
by nap (2006-04-07 23:01)
muscatさん。そうなんですよ。人は本を読むときにある程度の映像を描いてしまうので、それにさすがにmuscatさんが言うように、映画は14時間という長さにするのは、無理ですもんねえ。
napさん。ダヴィンチコード、本もおもしろそうですけど、ここは我慢です。
by takepii (2006-04-08 14:01)
こんばんは、takepiさん はじめましての、まなてぃです。
「フル・モンティ」にNice&コメントありがとうございます。
この「二十日鼠と人間」は、なんと「フル・モンティ」を一緒に観にいった
後輩と三軒茶屋のレイトショー専門の映画館で観た映画でした。
ブログでこうやって、この映画に再び出会えるとは思いませんでした。
後輩が「是非観たい」といって観た映画だったのですが、
映画がはじまりゲイリー・シニーズが貨物列車の中で、ひざ小僧を抱えて
遠い目をしながら揺られているのを観て、相当この映画はテーマが重いの
だろうと、予感し覚悟して観たことを覚えています。予感は大的中でした。
良い映画だったけれども、とにかくテーマが重く自分にのしかかりました。
ヘヴィー級な映画として自分の中に残っています。ある意味、参りました
の映画でしたね。(^^)
by まなてぃ (2006-07-23 23:24)