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淋しくもあり 楽しくもあり [小説、本]

私が、よく読んでいる雑誌と言えば、もちろんファッション中心の女性誌はもちろんきちんと欠かさず

読んでいますが(コンビニで立ち読みですが)、ビッグイシューは販売されているのを

見かけるだけでうれしくなってしまいます。ビッグイシューとはけっこう一風変わった雑誌で

内容はハリウッドスターのインタビュー、ひきこもり、サブカルチャー、ドメスティックバイオレンス

地球温暖化、格差、貧困、ホームレス、映画、アート、食事、音楽、コラム、戦争、平和、世界、日

本・・・扱っている話題は多岐に渡っています。

フルカラーにかかわらず、たった200円。月2回の発売。―ただ、本屋にはない雑誌。

ビッグイシュー販売員が道端に立って声をかけながら、売っています。

彼らはホームレスですが、社会復帰の第一歩として販売員をしているそうです。

その販売員の方の日常の声も雑誌の中には載っています。

ホームレスの自立を促進という目的でイギリスから始まったビッグイシューですが、

目的もさることならが、内容がすばらしいにもかかわらず、まだ全国販売には至っていません。

東京、大阪を中心としたいくつかの都市のみと言ったほうがよい位かもしれません。

その雑誌の中にとても心に響く言葉がありました。

「人の世は死ぬ時までの暇つぶし 淋しくもあり 楽しくもあり」

暇つぶしだと思うと、生きるという行為はそれほど高尚なものでもなく、

バカらしいこともすごく意味があるように感じて、なんだかすごくほっとしてしまいました。

とかくこの世は生き辛く、自分らしさや、社会との適応力や、アイデンティティや、体力や、

美醜や、貧富や、性別や、人種や、言葉や、生まれた国や環境ということに、

人は惑わされないようどんなに気をつけていても、それを思い悩み苦しんでしまいます。

ある人からしたら、どんなに恵まれているように見えても、その人なりの苦しみを抱えています。

でも、その人生は、いずれ来るその瞬間までの単なる時間つぶしだと思うと、

たとえハナクソほりほりするだけの人生の過ごし方でも(しないですけど)生きている意味があるの

ではないかと思ってしまいました。人からみたら生きてる意味のないくだらない人生でも、いい

んだ!という感覚とでもいうのでしょうか。

思い通りにはイカナイケレド、それなりにアホらしく、それなりに美しい人生。

それにしても、販売していない地域の方にもぜひ読んでもらいたいですね。ビッグイシュー。

ニュースには出てこない切実な問題が実は山積みなのだと、わたしは、

それでいつも気づかされるから。

ちなみに北は青森で、広島が南端らしいです。現在は。




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horigon

おはようございます。
その本は、先日の国会でも話題となり、安倍首相も知っておられましたね。
しかし、人の世は死ぬ時までの暇つぶしとは、なかなか的を得た表現
ですね。
時々、自分は何のために生まれてきたのかと思うことがありますが、
端的に言えば、死ぬために生まれてきたのかも知れません。(笑)
いずれにしても、その言葉は、人生とは単に暇つぶしなのだから
肩肘張って生きなくても良いという意味もあるのでしょうが、
生きているうちは、なかなかそんな気分にもなれないのも人の世
というものなのでしょうね。
by horigon (2006-10-13 06:42) 

たいへー

面白そうな雑誌ですね。 手に入れば読みたいのですが。
私は暇つぶしに「借金」しましたが、
まあ、ケセラセラで行きますよ。 考え込んでも辛いだけですから。
残りの人生の暇をつぶす・・・ 戦中派が聞いたら怒りそう。(笑
by たいへー (2006-10-13 08:40) 

takepii

horigonさん。いつもありがとうございます。国会で話題になっていたとは、知りませんでした。タイムリーな言葉なのですね。でも、私が素直にこの言葉に感心していると、ある意味危険な言葉だと知り合いが言っておりました。生きるということは、それなりに努力をしないと息することすら難しい時だってあるではないか!というわけです。暇つぶしだからといって適当に生きるというのは、わたしももったいないかと思います。

たいへーさん。いつもありがとうございます。どんどん販売地域は広がっているようですから、楽しみにお待ちください。ケセラセラもよいですね。なるようになるー♪って歌っていると頭に浮かぶ悩み事の重みが減った気がします。
by takepii (2006-10-13 12:28) 

まめぞう

上野駅で毎日のように売られてます。ビッグイシュー。
生きて行くのはツライですね。本当にツライ。
horigonさん↑のところで以前にもコメントしたのですが、サン・テグジュペリの言葉・・・
「人生には理由なんか無い。ただ前に進む力だけなんだ」
そんなものなんでしょうか。最近ある事があり・・・ちょいと落ち込んでます。
あ、ひとり言です・・・変なコメントでごめんなさいm( __ __ )m
by まめぞう (2006-10-13 22:35) 

鯉三

この雑誌、知りませんでした。
日本で独自に編集しているんですね。どんな人が記事を書いているんだろうか。帰国した折にでも探してみます。「人は生まれた瞬間から死へ向かっていく」。寺山修司はそんなことを言ってますね。
by 鯉三 (2006-10-13 23:39) 

Gamaoyabeeeen

人の世は死ぬ時までの暇つぶし 淋しくもあり 楽しくもあり
どんなことをして生きるかは自由だが、結局死ぬまでの間の自己満足であり、満足できなければ淋しい、満足できれば楽しい、人生なんてそういうものだ、というように解釈したいですね。
幕末の英雄、高杉晋作の辞世の句「おもしろきこともなき世をおもしろく」を思い出しました。
もちろん、私は食うに困る生活をしていませんので、すべてを一緒くたに語ることはできませんが、基本的には自己満足のレベル次第だと思っています。
by Gamaoyabeeeen (2006-10-14 01:15) 

takepii

エルモさん。いつもありがとうございます。もう、落ち込みは立ち直りましたか?どちらかというと、生きていて本当に幸せという瞬間より、生きていくのは本当にツライという瞬間が多く感じるのは、わたしは後ろ向きだから?と思う瞬間もあります。早くお元気になられることを・・・すでにお元気かも。

鯉三さん。いつもありがとうございます。ビッグイシューは毎月収拾のつかない記事ばかりですが、テレビや新聞では取り上げられないニュースがたくさんあります。「生まれた瞬間から死に向かっていく」ことに対してあまりにも鈍感だから生きていけるのかとも思います。

がま親分さん。確かに自己満足のレベルの話ですよね。ビル・ゲイツが世界一金持ちだからといって私より幸せとは決していえない。おもしろきこともなき世をおもしろくとは、よくわかりますね。
by takepii (2006-10-22 07:00) 

500円

ビッグイシュー、私も現物はみたこと無いです。
毎月収拾のつかない記事ばかりだそうですが、世の中のことを丁寧に取り上げるとそうなるのが当然と言う気もしますね。

最近、仕事が忙しく、いかに時間を無駄にせず過ごすか、うまく時間をやりくりするかみたいなハウツー本をつい読んでしまいますが(もちろん、待合せとかの空き時間ですが!)全然実行できない自分にうんざりするしあせるばかり。
人生は暇つぶし、と思えればとっても楽になれますね。
by 500円 (2006-10-25 14:24) 

takepii

500円さん。ありがとうございます。世の中のことを丁寧に取り上げると収拾がつかなくなるのはその通りかもしれないですね。「人の世は・・・」この言葉ほどうまく人生を語っているものはないのでは!!というくらい私も感動しました。
by takepii (2006-11-02 18:30) 

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