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細雪 [小説、本]

関西に移り住んで随分と経つのに、

先日初めて友人を訪ね、初めて芦屋に降り立ちました。

その時は、あんまり時間がなかったので、いわゆる山の手の高級住宅地には

行ってないのですが、街の条例で歓楽街やパチンコ店すらない芦屋は

関西地方ではやはり異色の街と言えるよなあとつくづく感じたものです。

今度、その友人にせっついて、芦屋にあるお金持ちの家を見に行こうドライブの旅

を企画しているので、それを楽しみにしている次第です。

今回、芦屋に初めて行ったのを機会に、せっかくだから、

少女と呼ばれていた頃以来読んでいない「細雪」を読み返しております。

初めて「細雪」を読んだ頃は、大阪にも暮らしておりませんでしたし、

船場、上本町、芦屋、梅田・・・・と細雪の舞台となる街の名前が出てきても、

ただの街の符号でしかありませんでした。

大阪に居をかまえて、そこで結婚もし、下手すると死ぬまでそこが安住の地となるかもしれない

今となっては、その時代にしては浮世離れした4姉妹の生活がなんだか身近なものに

感じるのはとても不思議なことでした。

いい年をして、子どももいるのに、頭を悩ます大部分は30を越えてお見合いのうまく行かない

妹の結婚、着物の帯が動くと鳴るといっては着替え、お芝居や花見、蛍狩りに興じ、

まったく生活感の感じられない彼女たちの生活がうらやましくてなりません。

確かに、物語の後半は軍靴の響きはそこかしこに聞こえ、

世間体や病気や旧家の没落や当事者にしか分からないそれなりの苦労などあるし、

彼女たちの生活は、きっとあの物語の終わりの後、早かったら1年も聞こえないうちに

ガラッと様変わりしてしまうに違いないけれど、

やはり女と生まれたからにはいい年になっても、ああいう女の子らしいことにだけ、

心を砕き生活したいと思うものです。

まだ、読み返し途中で終わりまで、届いていないので、

この彼岸の休日に、

申し訳ないですが、先祖の方々にご挨拶にいけるほど、

近くにお墓がございませんので、心の中でお詫びを言いつつ、

また本を広げようと思っているところです。

桜の季節はもうすぐですね。







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コメント 7

まめぞう

女性が女性らしくありたいと願うのはごく自然な事ですよね!
男性ながら、お考えに強く賛同いたしますです。
僕の周りでも・・・やはり素敵だなぁ、と思う女性は間違いなく努力してると思いますね~^^
話がう~んと上の方に行ってしまって恐縮ですが・・・老人ホームの職員の方に聞いたのですが、入所しているお年寄りに、お化粧などしてあげると表情から何から全て生き生きとしてくるんですって。で、検診すると、健康状態がまるで人が変わったように良くなっているのだそうで・・・
by まめぞう (2007-03-21 17:42) 

horigon

恥ずかしながら谷崎潤一郎はほとんど知識だけで、実際読んだことはありません。
芦屋といえば、大昔、受験で訪れまして、ずいぶん場違いのところに来たような思いがました。

最近は読書に時間が取れなくて、ちょっと不満ですが、早く熱中できる作品に出会いたいものです。
by horigon (2007-03-21 21:04) 

たいへー

↑ 上のおじさんと同じく、いまだ読んでいません・・・
昨日、思い出したように
「ノストラダムスの大予言」の1~3巻を読んでいました。 
この際全部読破してみようと思っています。
時代遅れもはなはだしいよな・・・
by たいへー (2007-03-22 09:05) 

takepii

エルモさん。いつもありがとうございます。
老人ホームのおばあさんの気持ち分かります。
ほんの少しでも美しくありたいというのは永遠の女性のテーマ
です。

horigonさん。いつもありがとうございます。
ただ、芦屋の昔ながらの美しさはあの震災で随分
失われたそうです。
わたしには美しい街を過ごしても、小説にはできそうにないので、
作家という人はつくづくすばらしい方々だと思います。

たいへーさん。いつもありがとうございます。
ノストラダムス・・・・・言われてみたらすごく気になります。
1999年は外れていたとしても、実際は2010年だという噂も
ありましたよね。
私も機会があったら、少し読みたいな!と思ってしまいました。
by takepii (2007-03-22 21:39) 

noric

いくつになっても女の子らしく、いいですね。
by noric (2007-03-25 12:19) 

鯉三

芦屋はずっと特別な芦屋であってほしい。それが関西の人の願いだと思います。そういえば、芦屋川沿いの桜は見事ですね。もうすぐ桜の季節ですね。
谷崎の作品、またじっくり読んでみたいなあと思いました。「細雪」はまだ読んでいませんが、実家がある町の古いうどん屋が故谷崎夫人の了解をえて、「ささめうどん」というのを出しています。とてもおいしいです。大阪にお住まいなら、ぜひ一度お試しになってください。ちなみに谷崎がこよなく愛した日本酒・呉春はわたしの故郷の酒です。これもまた是非に。
by 鯉三 (2007-03-26 01:47) 

takepii

noricさん。ありがとうございます。
女の子らしくはいいと思います。
いくつになっても、そうありたいと思うものです。

鯉三さん。いつもありがとうございます。
呉春とささめうどんですね。
機会があったら是非に試してみたいものです。
合理的なものに美しいものが負けないようにあってほしいものです。
by takepii (2007-04-07 00:38) 

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