どうしようもないこと。 [ブログ]
わたしは、オバチャンといわれる年齢ではあるけれど、
「大人」ではないように感じることが多いです。子どもの頃は大人になったら自然に
大人になるものだと思っていたけれど、年齢を重ねればそれだけでなれるものではないようです。
このブログを綴りはじめて、忙しいにかまけて他の方々に比べたら更新する回数が
少ないですけど、数をこなせば文章力がつくというものでもないようです。
例えば、オリンピックに出るだとか、東大に合格するだとか、私からすれば途方もないことを
やったり、考えたりしなくても、生きるというのは存外本気で向き合わないと難しいことが
多いということは最近わかってきたことのひとつです。
あきらめるというわけではないけど、どんなに強く願っても変えたり、変わることの叶わないことだっ
て私が思うより、随分多くある気がします。だけど、それをいまだにどうしようもないことと思えない
のは、オバチャンではあっても、いつまでも子どもということでしょうか・・・。
吉村昭さんの本をお亡くなりになってから、やたらはまり込んで読むようになりました。まだ、6冊
ほどしか読んでいませんけど。わたしに何がわかるってことでもないけど、文章の力にぐいぐい
引き込まれているのではないかと思います。
この方の作品で「仮釈放」という作品がありますが、つくづく人のさがはてしなく、
どうしようもないものなのではないかと。いい意味でも、悪い意味でも、ある意味で人が持つ
可能性の大きさを感じた作品でした。
内容はその名の通り、ある罪をつぐない「仮釈放」迎えた男のその後が
その罪の詳細も含めて淡々と描かれています。こわいこわい本なんです。
あまりにも、淡々と描かれているだけに、丸一日はその本に引き込まれてしまいました。
私が特に感じたのは、私は、私自身のことは自分でコントロールしている気がしているけど、
身体の中にもオートマチックなところがあるように、自分の考えひとつで自分を好きなように
動かしているように感じているけど、そんなにうまく行くことばかりではないのではないだろうかと。
ついつい悩んでしまいました。
ただ、それですら、どうしようもないこととして、あきらめられない。
私自身の欲望のテッペンは自分にも見えないくらい高い高いところにあるようです。
ちゃんとした、本物の大人のおばちゃんになれる日はくるのでしょうか・・・
こんばんは。
ほぼ毎日ブログを更新していても、文章力はいっこうに付かないのは、事実のようですね。(笑)
昔は自分が今の年齢になったとき、もう少しまともな思考力と行動が出来るものと考えていましたが、稚拙な部分と欲深い面は若い頃とそれほど変わらない気がしています。
きっと、そのまま人生を悟ることなく、死んでいくのでしょうね。
でも、ちゃんとした大人というのはどういう人なんでしょうね。
すべてを悟って、卓越した、ある意味煩悩の無い枯れた心を持つなんて、真っ平ごめんだとも思いますが・・・。
by horigon (2006-09-02 18:43)
本当に怖い小説ですね。人間の業が生み出すものはそこらにあるホラーなんか越えてしまっています。吉村さんの死が、「尊厳死」ということで新聞にも大きく取り上げられましたね。賛否両論はあるでしょうが、いずれにしてもこの作家らしい話です。
takepiiさんの文章、なかなかいいと思いますよ。
by 鯉三 (2006-09-02 19:11)
horigonさん。いつもありがとうございます。生きてきた年齢とそれに伴わない思考力や欲望や行動があるからこそ、楽しく辛く長いようで短い人生は楽しいのかもわかりませんね。確かに煩悩のない人生なんて、私には考えられないことです。
鯉三さん。ありがとうございます。尊厳死・・・については、わたしとしても思うところいろいろあるのですが、テーマがあまりにも大きく語りつくせません。吉村さんの本は私が気づかなかった振りをして、意外に心の奥底では気づいていた人の業みたいなものを描かれている気がして、はまっています。
by takepii (2006-09-03 10:34)
大人ですか・・・ 私も自信が無いな。
たぶん、自分で自覚するものではなくて、
他人に言われてやっと気が付くのかもしれませんね。
いつになったら、言われる事やら・・・
by たいへー (2006-09-03 11:39)
たいへーさん。いつもありがとうございます。一生いわれないのもある意味よい人生なのかもしれませんが。大人になるのは途方もなく大変なことだと大人になって気づくのかあと最近思っています。
by takepii (2006-09-03 12:22)