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モザイク 見えそうで見えない [今日は何の日]

モザイクという言葉は、最初もともとの言葉の意味は、きっと小片を埋め込んでつくる絵(図像)や

模様をあらわす装飾美術のことを言いますが、日本ではもうひとつの意味のほうが

多用されていると思われます。私が住んでいる大阪の隣町兵庫県神戸市にも、モザイクという

海のそばのとっても景色のよい商業施設があるのですが、そっちのほうではありません。

主に、テレビや写真などに使われる「ぼかし」の呼び名として、使われることの方が多いでしょう。

ただ、隠しておきたいこと、隠さなくては表に出せないものを、うまい具合に工夫できるもののひとつ

とでも、言うのではないでしょうか。

わたしは、大学時代、スペイン旅行に行ったことがあります。主にアンダルシア地方を回ったのです

が、スペインはヨーロッパでもめずらしいイスラム美術の影響を受けたところであるらしく、

それはそれはステキなところでした。

このモザイク美術といえば、アルハンブラ宮殿がすばらしく、その手法の影響下を受けた、

ガウディのグエル公園などもタイル模様がなんとも形容しがたい感覚を思い起こさせたものです。

ただ、モザイク美術はイスラムだけというわけでもなく、妹と行ったことのあるヴェネツィアでの

サンマルコ寺院にもあったそうですが、そちらは忘れてしまいました。

タイルを埋め込んで、近くで見るとただのタイルの貼り付けに見えるけど、一定の距離から見ると

それで景色や人物や法則のある一定の文様が浮き出てくる様子が

わたしはとっても好きですね。

このモザイクも近くからは何がなんだかわからない(これは一定の距離を空けると見えるけど)、

というところは、ぼかしの部分のモザイクと共通する部分がありそうです。

見えそうで見えないというのは、人の単純な探究心を呼び起こすようです。

エロティックさというか、ミステリアスというか、ぞくぞくする心の動きを私に思い出させます。

今日、5月28日は、1936年の5月に阿部定事件を起した、阿部定さんの誕生日だそうです。

彼女が生まれたのは、まだ日本が明治といわれていた頃、1905年だそうです。

いろんな映画になったり、小説やドキュメンタリーとして描かれたりしていますが、

誰も彼女の本当の気持ちは測り知ることはできても、

わかってあげることはできないでしょう。

彼女は、事件の後の服役後、特赦で出所した後、名前や経歴を変えて暮らすことを

了承され、普通の結婚をして、普通に暮らしていた頃もあったようです。

その後、マスコミにすべてを明かされ、結婚はだめになり、女中などをして市井の中で暮らしたよう

です。年を経ても男好きだったというエピソードを残して、行方不明のまま現在に至っています。

誰も知らない、阿部定さんに限らず、自分の本当の姿は誰にも本当に知られないまま、

見えそうで見えないままモザイク模様の様に、

単なる宇宙のエピソードのひとつになってしまうのかと思うと、時折ふと感じる

もの悲しさを感じることもあります。

それにしても、久しぶりにスペインに行ったことを思い出したりしましたが、

最近空をみては、旅情に誘われ、ポストを見ても誘われています。



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裏ワザコスメ☆

大変ですよねー;w;私もちょっと微妙?かも?
あんまり関係なくてごめんなさいね><;
http://erumoerumoerumo.blog56.fc2.com/
by 裏ワザコスメ☆ (2006-05-28 10:32) 

ゆか

最近、暖かくなって来ました。初夏ですね~。ねっとさーふぃんでウロウロ…。で面白いページ見つけました~。(>y<)
http://koya.gaii.net/pksp/
by ゆか (2006-05-28 12:18) 

たいへー

見えないほうがいい事って、ありません?
見ないふりも、時には大切ですし。 
全部見えないのもまた魅力ですよ。 
by たいへー (2006-05-28 12:49) 

環虚洞

モザイクーぼかしー安部貞ーミステリアスー宇宙的エピソード
読み出して・・ドコに連れて行かれることかと思いました。
スゴイ展開ですね。マイリマシタ。
ところで、
モザイクの写真はドコのものでしょうか?
スゴイものですね。
私は「フラクタル」図形を思い起こしました。
自然界に(マクロとミクロに関わらず)遍在している図形だそうです。
ミステリアスな宇宙をミステリアスなまま身辺に閉じ込めようとするとモザイクのような様式になるのでしょうか?
なにかモザイクの歴史のようなものを調べたいキモチになりました。
ありがとうございました。
by 環虚洞 (2006-05-28 17:01) 

takepii

たいへーさん。いつもありがとうございます。見えないものに魅力を感じるのは、なんだかロマンを感じるのは確かです。でも、すべてを見てしまいたいという欲求にも勝てない、人の欲深さは空恐ろしいものがあるようです。

閑居堂さん。ありがとうございます。自然界に存在するミクロとマクロって、そっちの方が果てしないところまで話がいってますよ。モザイクの歴史は、ちょっとしたものでしたら、ネットでもあります。写真は、イタリアのどっかの寺院のだと思います。
by takepii (2006-05-28 18:01) 

デージー

近すぎると見えない・・・なんて、人間関係のようですね。
そしてそんな人間も、地球規模でみると、モザイクのように見えるのかな。。?
それぞれの色が個性を出して、きっと素敵なモザイク絵になっていることでしょう。
by デージー (2006-05-29 00:07) 

movie_lman

こんにちは。
私は「愛のコリーダ2000」を見ました。
阿部定の愛って極限?究極の形なのではないかしらって思います。
殺してしまう事で。はじめて全てを手にいれるみたいな感じ。
でもtakepiiさんのいうように誰もわからないですよね?本当の彼女の気持ちなんて・・・。
by movie_lman (2006-05-29 10:40) 

takepii

デージーさん。いつもありがとうございます。人間関係ってむずかしいですもんね。同じように、人の気持ちも難解なものだと思います。

movie-lamnさん。愛のコリーダは究極の映画ですが、美しい部分がとても誇張はされている気もします。映画としては、おもしろくもあり、はかなくもありと思いますが。誰にも、わからないから、考えるとおもしろい部分もありますね。
by takepii (2006-05-29 21:47) 

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